タリスマンはお守り⁉

今週末のコンクールに向けて、発表会後もヴァリエーションレッスンが続いていますnote

今練習中の作品のひとつは『タリスマン』

『タリスマン』はコンクールでもよく踊られる人気のヴァリエーションですが、全幕を舞台で観る機会はなく、せいぜいガラコンサートなどでパドドゥを見かけるくらいです。実は『タリスマン』はインドを舞台とした愛の物語で、バヤデールと似ているために全幕が上演されなくなったという説もあります。

タイトルの『タリスマン』とは実は『お守り』という意味で、ヒロインの女神ニリチが落としてしまう物語のカギとなる小道具なのです!

コンクールでよく踊られているのは、ヒロインのニリチのヴァリエーションですね。

ではどんなお話なのでしょうか…

プロローグ (天界)

女神ニリチは、父である神の命令で、修行のために地上に遣わされることになりました。 母のアマルヴァティは、ニリチタリスマン(お守り)を渡します。「 このお守りを持っていれば、いつでも天界に戻ることができます。でも決して人間に恋をしてはいけません。恋をしたら天界に戻れなくなりますよ。」と伝え、お供に風の神ヴァイユを付けてニリチを送り出しました。

-第1幕- (下界)

北インドの藩主ヌレディンは、王であるアクダルの娘、ダマヤンティと婚約しています。 しかしヌレディンは結婚に乗り気ではありません。 憂鬱な気持ちを晴らすべく、ふらりと旅に出たヌレディンは、いつしか道に迷ってしまいました。 そこに、下界に到着したニリチがあらわれ、ヌレディンは一目惚れしてしまいます。 思わず抱きしめようとするヌレディンニリチはびっくりしますが、お供のヴァイユが風を起こしてくれたために逃げることができました。 しかしこの時タリスマンを落としてしまい、ヌレディンに拾われてしまいます。

-第2幕-

王アクダルの宮殿で、ヌレディンダマヤンティの婚礼の準備が進められています。 皆は晩餐の場へ移動しますが、ヌレディンは一人その場に残り、ニリチへと思いを馳せます。 そこへニリチが現れ、タリスマンを返して欲しいと頼みます。 しかしヌレディンは、タリスマンを返してしまったらニリチが帰ってしまうと思い、頼みを断ります。 失意のニリチが消えたところへ、王アクダルとダマヤンティが現れます。 アクダルは婚礼の儀式として、皆の前で夫婦の契りを交わすように促します。 しかしヌレディンは、「他の女性を愛してしまったので、結婚はできない」と伝えます。 ダマヤンティはショックのあまり気を失い、アクダルは激昂してヌレディンに襲い掛かります。 兵士が入り乱れて争いが始まる中、突然火柱が上がり、争いどころではなくなりました。 ヌレディンが死んでしまっては、タリスマンを取り戻せないと考えた風の神ヴァイユが魔術で争いを止めたのです。 そしてニリチは、ヌレディンの情熱に心を動かし始めます。

-第3幕-

王の宮殿から帰る途中、ヌレディンは僧正と女奴隷に出会います。 それが変装したヴァイユニリチであることを見抜いたヌレディンは、ヴァイユに酒を飲ませて酔わせ、ニリチをさらいます。 ニリチヌレディンを責め、タリスマンを返すように繰り返し言います。 しかしヌレディンは頑として受け入れず、「地上に留まって、妻になって欲しい」と迫ります。 頼みを聞き入れてくれない悲しみから、ニリチは短剣で自殺を図ります。 ヌレディンは咄嗟にそれを止めますが、ニリチの態度に怒り、タリスマンを彼女の足元に投げつけます。 タリスマンを取り戻したニリチは、天界へ戻ろうとします。 しかし、ヌレディンの両目に光る涙を見て、激しく心を揺さぶられます。 天界へ戻るか、愛を選ぶか。 そして、ついにニリチは愛を選択し、持ち主を失ったタリスマンだけが天界へと戻っていくのでした。 

ストーリーもバヤデールよりわかりやすいし、上演されなくなってしまったのがとても残念・・・sweat01

全幕バレエとしては登場人物が少ないのか、場面に変化が少ないのがいけないのか・・・、個人的な意見ですが、間で夢の場面とか、幻想の場面とかがあったら、ばっちり人気の全幕バレエになりそうな感じがします。

全幕で見てみたかったなぁ・・・shock

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